数年前の11月頃、裁判所から1通の通知が来ました!え?何かしたのかな?(心当たりは全くありません)と不安になり開けてみると、なんと裁判員候補者名簿に登録されたという通知でした。その時は本当に裁判員に当たるんだとびっくりしました。実際はまだ候補者に選ばれただけですが・・・。
私には娘が二人おり、その当時は長女が小学校2年生、次女が年長でした。裁判員候補の期間は1年間という事でしたが、育児中ということもあり、とっさに裁判員なんて無理だと思いました。
※2018年7月25日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の必要箇所も修正し2019年11月14日に再度公開しました。
裁判員候補者名簿の通知が来たら
裁判員候補者名簿に登録されましたという通知が来たら、その封筒の中に「調査票」というものが入っているので、調査票を記入し返信する事になります。通知は11月頃に届き翌年の裁判員候補者名簿に選ばれた事のお知らせになります。調査票で聞かれる事は主に辞退しなければいけない理由があるかどうかです。そして辞退出来るのは裁判所が定めた内容に当てはまる人のみです。
● 就職禁止事由への該当の有無。(例:自衛官や警察職員など)
● 客観的な辞退事由に該当する場合,1年を通じての辞退希望の有無・理由。
(例:70歳以上,学生または生徒,過去5年以内における裁判員経験者など)● 重い疾病または傷害があるため裁判員としての参加が困難な場合,1年を通じての辞退希望の有無・理由。
● 月の大半にわたって裁判員となることが特に困難な特定の月がある場合,その特定の月における辞退希望の有無・理由。※注(例:株主総会の開催月など)出典元:裁判所HPより
裁判員候補者名簿の通知が来た時点ではこの調査票を返信するだけで、すぐに裁判所へ行かないといけないという事はありません。
育児中の主婦は辞退できるの?
裁判員を辞退出来る条件に「育児」とは書いてありません。育児中の主婦が辞退出来るかどうかは、他に育児を看てもらえる人がいなければ辞退は可能との事でした。しかし裁判所からは裁判員に参加したいという人のために一時保育サービスも提供できるとの案内がありました。
しかし育児中で一時保育サービスを利用する際は指定された託児所になります。私の地域で預ける事が出来るのは自宅から1時間以上かかる場所だったので、実際その場所に預けに行って裁判員として参加する事は難しいと感じました。もし夫や祖父母に子どもを看てもらえるというので、どうしても出来ないという月があれば2ケ月までは辞退する選択が出来ました。例えば8月と12月は外したいというように記載する事が出来ました。
育児中の私が選択したのは?
育児を理由に辞退するという事は、他に子どもを看てもらう事が出来ない場合です。私の場合は夫の両親が近くに住んでおり、子どもを看てもらえる環境にはありました。
しかし実際、裁判員に選ばれたら何日間は朝から夕方まで裁判所に行く事になります。子どもを何日間も連続でまた長い時間、祖父母に預けるという事はそれまでなかったので、いくら看てもらえる環境だとは言っても祖父母への負担は大きいです。また審理期間が長期化になるものでしたら、とてもその期間を子どもを預けて裁判員に参加するというのは現実的には難しいと思いました。
両親の体調が悪く看てもらえない、子どもが小さく手がかかるので辞退したい、裁判員を辞退する事の色々な言い訳けを考えてみました。
しかし同時に裁判員に興味がなかったわけではありません。この経験から子どもに伝えられる事もあるのではないか?とも考えました。
夫からも「こんな機会はないかもしれないし、参加してみたら?」と言われ後押しされました。また夫の両親も協力してくれるという事で育児中ではありましたが参加するという事に決めました!
忘れた頃にやってきた通知
結構悩んで返した調査票の事も忘れて過ごしている中、忘れた頃に裁判員の通知がまたやってきたのです。今度は「ある裁判の裁判員候補に選ばれました。裁判所が指定した期日に裁判所に来て下さい。候補者の中から裁判員を選びます。」という内容のものでした。いわゆる「呼出状」というものです。呼出状は選任手続き期日の6~8週間前にお知らせが送付されるとなっています。
ここでも質問票というものが入っており、その裁判の時に何らかの事情で出来ない場合は辞退をする事が可能です。もちろん裁判所が認める辞退理由のみが対象になります。
私の当たった裁判員の期間は4日間でした。通知が来てからまず夫や夫の両親にその日程に子どもを看てもらえるかという事を確認しました。またパート先の会社にも連絡をし裁判員に選ばれるかもしれない事を伝えました。
実際私の当たった裁判は4日間という短いものでしたので、育児中でしたが参加しようと前向きに思えました。しかしもう少し長い裁判であれば、このように前向きに参加しようと思えなかったかもしれません。
裁判員は日当をもらえる?
実は裁判員は日当をもらえます。最初書類を見た時に日当をもらえる事を知り驚きましたが、裁判員、補充裁判員の日当は1日あたり1万円以内と決められていると記載されています。
選任手続きの日当も1日あたり8000円以内と記載されていました。
また日当とは別に交通費がもらえます。
お金を稼ぐというのとは違うと思いますが、仕事を休んだ事や裁判員として裁判所へ行く間は時間を拘束されるために手当てとして日当を頂くという理解です。
選任手続き日に裁判所へ
裁判所から通知された裁判員選任手続きの日に裁判所へ行きました。裁判所へ行くことは初めてでしたので、少し緊張しました。行くと何十人か来ていましたが空席もぽつぽつあり、来ていない人もいるようでした。
そして裁判所から裁判員についてのDVDを見せられたり、実際の裁判の内容を知らされます。裁判の内容を見て、万が一その事件に何か関係のある人や知り合いだった場合は辞退する事になります。また内容を見て自分がどうしても出来ないと思う理由があれば別室で裁判官に辞退理由の申し出をする事も出来ました。特に辞退理由がない人の中からくじ引きで選考されました。数人の裁判官の方が別の部屋に行ってくじ引きをして戻ってきました。当たったくじ番号をホワイトボードに書いていくのですが、いきなり自分の番号が呼ばれ当たってしまいました。
それまでは当たるかどうか分からないしという気持ちでいたのですが、え?いきなり当たったの?とあまりにもいきなりすぎてびっくりしました。
裁判員の宣誓
裁判員には6人選ばれ、補充裁判員2人が選ばれました。裁判員に選ばれなかった人はその場で解散となりましたが、選ばれた裁判員は別部屋に行って裁判官の前で「宣誓」というものをしました。
その際にこの裁判についてもう少し詳しい説明を受け、どうしても出来ないと感じる事があればそこで理由を述べ最終的に辞退をする事も可能でした。
宣誓の内容は裁判員として守秘義務を守る事や裁判を公平に行うといった内容だったと思います。
そして私は実際に裁判員として裁判所へ行く事になりました。こうして主婦の私が裁判員に選ばれたのでした。