前回の「育児中(7歳・5歳)主婦が実際に裁判員に選ばれるまで」の続編です。
※2018年7月26日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の必要箇所も修正し2018年10月24日に再度公開しました。
裁判員に選ばれてから初日まで
実際に裁判員に選ばれてから裁判までは1日しかありませんでした。
まずはパート先の会社へ連絡をしました。裁判員に当たるかもしれないという事は事前に伝えていたので、スムーズに休みをもらう事は出来ました。裁判員に選ばれた場合は仕事に必要な休みを取ることは法律で認められていますが、実際私の場合はパートという立場だったので休みやすかったというのはあります。
裁判員に選ばれて、裁判というものを全く知らない私は裁判所から頂いた資料を隅々まで読みました。特に何かしてきて下さいと言われたわけではないのですが、何もしないのが不安だったのでとりあえず資料だけでも読んでおこうと思ったのです。そして夫の両親へ連絡し、子どもを預ける事を改めて伝えました。
裁判員として決まった際に裁判所から4日間とも裁判員に参加できるか?という事を確認されました。もしどうしても参加出来なくなった時には必ず連絡をして下さいという事でした。当たり前のようですが裁判所からすると、ここが一番大事だという事です。
責任感を持って裁判員に参加してほしいという事だからです。
裁判員の服装
特に指定はありませんでした。しかし裁判所に行くという事であまりにもラフな格好で行くというのもどうなのかなと個人的には思います。私は紺色のスカートにカッターシャツ、そしてカーディガンを羽織るといった服装で行きました。スーツで来ている方もいればジーパンの方もいました。裁判員の為に服をわざわざ購入する必要はないです。
また私の場合は裁判員を経験したのが夏の時期で、法廷の中はクーラーが効いており少し寒いと感じる方もいるかもしれません。裁判所では毛布を準備してくれていましたので、必要な方にはひざかけとして使用する事も出来ました。
裁判員初日の事
裁判員初日になり、緊張しながらも裁判所へ向かいました。また私は時間には余裕を持って行く性格なので、集合時間は9時30分でしたが、遅れてはいけないと思い30分ほど前に着くように行きました。
少し早すぎるかなとも思いましたが、意外にも私より先に来ている人は3人ほどいました。後から思ったのですが、やはり裁判員に選ばれて参加している人は責任感の強い人たちだと感じました。また裁判所に着くとプライバシーを守るために、氏名ではなく番号で呼ばれました。
そして初日から裁判は始まりました。「10時から公判が始まります」と言われ、それまでは控室で裁判官の方たちと雑談をしながら待ちます。控室にはお茶やお菓子などが置いてあり(お菓子は裁判長のポケットマネーだと言っていました)、裁判員に少しでもリラックスさせようという感じが伝わってきました。
そして時間になり法廷へ入って行きました!正直私は自分がドラマのワンシーンにいるような気がしてしまい、すぐには実感がわきませんでした。しかし、私たち裁判員の評決により人の人生が決まるのだと思うと、なんとなくの意見で決める事はできないと思いました。しっかりと考えて意見しなければいけないと思いました。
評議の時間
2日目以降は評議を行う時間が長かったです。裁判員裁判では法廷での内容は他の人に話してもよいとの事ですが、評議の内容は話してはいけないという決まりがあります。評議の内容は書くことは出来ないのですが、評議をして感じた事があります。
裁判は証拠に基づいて行うというのが原則との説明が裁判官の方からありました。
個人的にはニュースや新聞を見る度に、どうしてこんな事が起きるのか?とよく考えてしまします。その時には自分の感情論だけでの意見になります。しかし裁判では証拠に基づいて決めていくというのが、私たち一般の人にはなかなか難しいなぁと正直感じました。
そして意見もたくさん出し合います。私は人の前で意見を言うのは苦手なタイプですが、裁判官の方が意見を言いやすい雰囲気にしてくれて、思った事を言いやすく自分でもびっくりするくらい意見をいう事が出来ました。
気になる日当は?
私の場合は裁判員の日程は4日間でした。裁判員選出日を入れると合計で5日でした。
- 裁判員選出日・・・午前10時~11時30分頃まで
- 裁判員初日・・・ 午前10時~11時、午後13時~17時
- 裁判員2日目・・・午前11時~11時30分、午後13時~17時
- 裁判員3日目・・・午前10時~12時、午後13時~17時
- 裁判員4日目・・・午前10時~12時、午後15時~午後15時30分
ご覧頂いてお分かりかと思いますが、午前と午後の間が結構長いです。この時間は裁判所の外に出る事も出来ます。昼食を外に食べに行くことも出来ますし、裁判所の社員食堂を利用する事も出来ました。
実際は午後からの評議の時間は評議の進み具合によって終わる時間も変わりました。また最終日は判決という事で、午前の評議の時間は3日目の評議の進み方で行うかどうかというのを決めると最初に説明をされました。そして実際は3日目の時点で評議も終わっていたので、最終日は午後からの集合に変わりました。
裁判員選出1日と裁判員4日間、合計5日間で振り込まれた金額は、
39355円でした。
ちなみに交通費は別途もらえます。しかし裁判所までは原則、電車やバスの交通機関を利用し行かなければなりません。
39355円を単純に5日で割ると日当7871円でした。
裁判員を経験した感想
裁判員は4日間という短い期間でしたが、私にとってはとても濃い4日間でとても長く感じた4日間でした。そして本当に色々な事を考えた4日間でした。私が裁判員として参加した裁判員裁判は、裁判の中では重いものではないのかもしれません。しかし1人の人生を決める裁判に裁判員として参加するというのはとても責任を感じました。
色々なニュースがある中で、もし小さな子どもに関わる事の裁判員だったらと考えると、自分が冷静に意見を言えただろうか?とも考えます。
しかし普段はニュースを見て、こんな事があったんだというくらいで過ぎていた事が、1つの事についてこんなに考えた事はないというくらい考えました。私にとっては裁判員を経験した事は人生の中でも貴重な経験になりました。また子ども達も「裁判所ってどんなところ?裁判官ってどんなお仕事なの?」と裁判について聞いてくるようになりました。一度、裁判所の見学に子どもを連れて行ってみようかなと思っています。
ちなみに裁判員が終わると参加した証明としての裁判員バッチを最後に頂きました。
育児中の主婦の方で裁判員に当たってどうしようと思っている方や、これから裁判員に当たる方の参考になればと思います。